参考文献Reference

 本サービスが参考にする文献の一覧です。
 著者にわかりやすく解説をお願いしました。
 みなさまの健康管理にお役立てください。
この論文の筆頭著者である有川拓男先生が解説してくださいます。 本解説文の掲載時点(2022年6月30日)の有川拓男先生のご略歴は下記のとおりです。
研究者名 有川 拓男(ありかわ たくお)先生
ご所属 獨協医科大学病院 睡眠医療センター
獨協医科大学 内科学(心臓・血管)学内准教授
ご略歴 1993年 獨協医科大学医学部卒業
1995年 獨協医科大学病院第一内科研修医修了
1996年 獨協医科大学病院第一内科臨床助手
1998年 財団法人心臓血管研究所付属病院レジデント
2000年 獨協医科大学病院心血管肺内科学内助手
2008年 獨協医科大学病院心血管肺内科学内講師
2009年 獨協医科大学病院心臓・血管内科学内講師
2019年 獨協医科大学病院心臓・血管内科/循環器内科学内准教授
所属学会 日本内科学会認定内科医
日本循環器学会循環器専門医
日本睡眠学会専門医
有川拓男先生

心拍センサWHS-1を用いた睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングの有用性についての検討

有川拓男 ¹,中島敏明 ¹,矢澤寛子 ¹,金田宇行 ¹,春山亜希子 ¹,小尾正太郎 ¹,天野裕久 ¹,佐久間理史 ¹,豊田茂 ¹,阿部七郎 ¹,堤健 ²,松井太志 ³,中田章夫 ³,
篠崎亮 ³,宮本雅之 4,井上晃男 ¹
¹ 獨協医科大学内科学(心臓・血管), ² 江田記念病院, ³ ユニオンツール株式会社,4 獨協医科大学病院睡眠医療センター  睡眠時無呼吸症候群 (SAS)は、循環器疾患と高率に合併し、とくに重症のSASは生命予後と関連することが知られている。一般的に、SASの診断には終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) を行うが、設備も含め、実施できる施設はまだ少ない。一方、無呼吸時には、R-R間隔(R-R interval, RRI)が、増減することが知られており、SASのスクリーニングとしてHolter心電図によるRRI解析が有用であるという報告も見られている。SASの無呼吸は、体位により強く影響を受けることが知られており、今回、我々は、3次元加速度計が内蔵されている心拍センサWHS-1のSASのスクリーニングにおける有用性につき検討した。

方法:対象は、睡眠時検査(PSG)施行目的に入院した症例38名(男性12名、平均年齢63.6±11.6歳)である。PSGとともに、心拍センサWHS-1(ユニオンツール株式会社)を装着した。Apnea-hypopnea index (AHI) により、SASの重症度(軽症、中等度、重症)及び、病型(中枢型、閉塞型)を分類した。またWHS-1の測定データを基にSASを推定した。時系列ごとに算出した5秒間及び60秒間の RRI平均値を利用してCVHR*による頻脈を特定し、180秒間に頻脈を複数検出した場合SASと推定した。但しWHS-1で測定したRRIに対して上下限フィルタと移動平均フィルタ、加速度に対して体動フィルタと姿勢フィルタを適用してノイズを除外したデータのみ有効とした。

結果:データが確認できた30例において、24名(80%)がSASと診断された。診断率は、重症例 (19例中16例) 84% 中等症(9例中7例)78%, 軽症 (2例中2例) 100%であった。病型との関連は見られなかった。

結論:心拍センサWHS-1を用いたRRI解析は、簡便なSASのスクリーニングとして有用であると思われた。また、これにより、自覚症状のない潜在患者に対しても、本法を用いたRRI解析の結果から睡眠検査を行い、早期治療に繋げる事も可能であると考えられた。

*CVHRとは、睡眠呼吸障害の患者に起こる無呼吸・低呼吸の周期と同期して、心拍数が徐脈と頻脈を繰り返す周期性心拍変動パターンのことを指す。